「ヒトラー 権力の本質」
ヒトラー絡みの本はこれにて一旦終了。 [1] … Continue reading今回、映画から始まった一連の流れの最後にふさわしい本だった、と我ながら思う。
内容としては書名そのままなんだが、大事なポイントとして、ヒトラーの権力は「カリスマ支配」によるものであるということ。つまり、
- 諸々の政府機関がヒトラーにしか向いておらず、その意義をなくしていった。本来あるべき(ヒトラーを通さない)横のつながりがなくなってしまった。
- カリスマ性を担保するために、次から次へと博打を打たざるを得なかった自己破壊的な権力であった。
という2点に集約出来て、この点にこそ問題があった、と。ふむふむ、なるほど。となると、次に興味深いのは「国家(官僚、役所)というものはそんなに簡単に骨抜きになるものか?」ということで、確か佐藤優の「国家論」によると「国家には自己保存の力が働く」はず。ならば、なぜナチスはここまで国家の仕組みを破壊できたのだ?実際、日本やイタリアでもここまでには至っていない。ヒトラーが国家にとって外敵であるうちに潰しにかかることや、一旦内に取り込んだとしても「異物」として吐き出すことも出来ただろうに、それはされなかった。国家に意思を持たせるようで趣味じゃないんだけれども、「なぜ国家がヒトラーを受け入れたか」という点は、それはそれで興味深い。この「なぜ」に答えられない限り、また世界のどこかで同じことが起こるだろう。それを防ぐには、やっぱり国民一人ひとりが深く考えなければならず、自分の将来に対する期待を安易に人に託してはいけないのだ。
References
| ↑1 | 同じくイアン・カーショーによるヒトラー伝の下巻については、1100ページもあるし、通勤中の読書には物理的に難しそうなので、GWに実家で読みます。 |
|---|