学生諸君、卒論は真面目に書こう!

「社会人は忙しいのだよ…」と毎度の言い訳をしながら、久しぶりにブログ記事を書くわけですが、やはり「ブログを書きたい!」というのはそれなりのインプットが無いと湧かない気力であることが判明しました。んで、最近の私のインプットといえば、毎日の読書はしているっちゃしているんですが、それが記事としてまとまるほどちゃんと読み込んでいない状態。キリスト教神学や哲学って、中途半端な知識だとなにも書けないんですよね。歴史関連では杉原千畝からスタートして第2次世界大戦前後、北欧に駐在した外交官や武官の本を続けて読みましたが、 [1]といってもまだ2冊。結構情報戦としても面白いので、もう少し色々と読み込んでいきたいところ。北欧はあまり手をつけたことが無い分野なのでこれまた書きにくい。というわけで、毎度のことながら安易に仕事の話に逃げたいと思います。

さて、相変わらず同じ部署で働いておりますが、昔に比べると「脱!プレイングマネージャー」を目指して、事実、大分デイリーの業務からは離れ、考えることが仕事になってきた気がします。 [2] … Continue readingそれと同時に、もうそろそろ異動があってもいいな…となんとかの皮算用中なので、心置きなく部署を去れるよう、部下(3名)を本格的に育てなくてはいけない状態です。

で、私の部下。以前にも書きましたがなかなか強者揃いでして、マイクロマネージメントはしている時間ないし、困ったわね、どうしよう?と考えた私が、「良い上司を演じつつ、『君たちに期待しているのはコレだから!』とこちらの要望を悟らせる」という随分遠回りな方法として考えたのが「本を貸す」。しかも単なる本じゃない。私が、あたかも「私にとって重要だと思ったから線を引いた」風で、実は部下に対して「ここ重要だからね!」という部分に線を引いている本。どれくらい効果があるのかは、まだその最初の本に線を引いている最中なので分かりませんが、とりあえず自分も本を読んで勉強できるし、一石二鳥かな…と。週末には読み終わるので、そうしたら一人1週間限定で貸す予定です。ビジネス書って、それなりの厚さがあっても、内容は難しくないし、1週間の内にその簡単なビジネス書1冊読む時間も捻出できないようじゃ根本的に時間の使い方が間違っていると思うのです。勿論、毎週のように本を貸すのは、プライベートな時間を浸食しちゃうし、良くないと思いますが、それくらいのスピード感をもって情報を捌かないと、仕事にならないと思うんですよね。こっちがご丁寧に線まで引いているんだし。

さて、栄えある初回の本に選んだのが「ハーバード式 「超」効率仕事術」です。この手の本はアメリカ人のエグゼクティブが書いているので、日本の平社員には全く役に立たないことも多いですが、それでも利用できるところはあります。優先順位のたて方やメールを読まずに捨てる度胸の付け方などなど。そこで私が読みながらつくづく思ったのが、「大学時代にマルチタスク(山のような宿題と課題)の訓練と論文の書き方をみっちりやったことは仕事に役立っている」ということ。

まず、マルチタスクについて。これは純粋に優先順位付けの訓練にもなるし、情報の取捨選択の訓練にもなります。何曜日の何限までにどの課題を終わらせないといけないか、そのためには何を今すべきか、課題の量が多ければ多いほど、厳密に優先順位を考えて課題をこなさないといけません。究極な話、5限の卒論発表会のために、3限の経済学の授業をスキップすることもありなのです。 [3]というか、私はこの前科持ちです。そして、読むべき資料や課題書が多ければ多いほど、「どこを読むか?」、いやむしろ「どこを飛ばすか?」が重要になってきます。まぁ、どうのこうの言って、授業用の課題の場合は、比較的満遍なく目を通す必要がありますが、最悪「ジョージ・オーウェルのカタロニア讃歌を丸1冊読む課題に対して、(細かいことがクイズに出たり、授業で取り上げられないこと、大枠さえつかんでいりゃ良いことを予測した上で)wikipediaの該当項目を読んどく」というのもでもいいんです。要は授業についていけりゃ良いんだから。 [4] … Continue readingその辺の「必要とされているレベルを見極めて、手を抜くところは抜く」というさじ加減、大学で身に付けておくとそのまま仕事にも応用できるのでお勧めです。「本部長直々の依頼の場合は、いままでの履歴をエクセルにまとめて提出、他部署でしかもちょっと自分より下の地位の人からの調査依頼は、周りの人にヒアリングして、「厳密に調べてはいませんが」とか「感覚値ですが」とか枕詞をいれた上で、メールの本文として「大体こんな感じ」と回答する」位の差をつけないと、とてもじゃないけど定時には上がれませんよ!何事も全力の姿勢がかっこいいのは高校生までですからね。

更に卒論をしっかり書くというのは、ロジカルシンキングとして即仕事に応用がききます。以前にも論文の書き方を記事にしましたが、 [5]おそらく現在未復旧です。留学中に書いたことは間違いない。論文を書くにはテーマ決め⇒資料収集⇒取捨選択⇒アウトライン⇒本文執筆⇒推敲という流れがあります。このうち、特にアウトラインを作るとき、かの有名?な「MECEにわかれているか」という視点が必要なんですよね。問題解決を全くしなくていい仕事であればよいのですが、残念ながらそういう仕事は少ないです。論文を書く時、反対意見を論破するとこちらの主張がより強くなるというテクニックというか王道な方法がありますが、仕事においても全く同じ。一つの視点だけで問題解決すると必ずどこかで破綻します。可能性を全て考えた上で、なぜ他の選択肢(論文の場合は主張)が駄目なのか論破出来ると、論文はより良いものに、仕事はより確かな成果につながるものなのです。

というわけで、最近は他の人の仕事ぶりから「この人、学生時代どんな風に勉強していたんだろう…」と考えることが多い今日この頃。情報処理能力とロジカルシンキングの基礎を本来の勉強(国際関係論)をしながら、学べたのは本当にありがたいことです。 [6] … Continue reading

 

    

References

References
1 といってもまだ2冊。結構情報戦としても面白いので、もう少し色々と読み込んでいきたいところ。
2 あくまでも、気がします。まぁ、部内のリソースが少ないときはタスクのカバーに入りますけどね。ところで、なんで仕事の話をするとこうもカタカナが増えるのか?
3 というか、私はこの前科持ちです。
4 薄々お気づきだと思いますが、こちらも私、前科持ちです。だって無理だよ、1週間のうちに、英語で本1冊読めだなんて。せめて2週間欲しかったです…
5 おそらく現在未復旧です。留学中に書いたことは間違いない。
6 最後に。ちょっと嫌味っぽいので、本文には載せませんが、「ハーバード式〜」を読んで思ったのが、この本、アメリカでの経験が多少なりとも無いと、理解しにくいんじゃないかということ。まぁ、この本に限ったことじゃないですが、文化というか空気を知らないと難しいんじゃないかな、という部分がちょこちょことありました。

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