本の装丁は大事という話

「本の虫の本」を読んでいて、本の装丁について書かれていたので思わず。

私は装丁について、そこまで気にならないタイプだと自分で勝手に思い込んで読書生活30年以上過ごしてきたし、実際「中身は気になるが装丁が嫌い」という理由で本を買わなかった記憶もない。そもそも装丁が気に入らないから買わない本は、中身に対してもそんなに食指が動かないのだ。2014年にも下記の通り、白人の子どもが表紙のビジネス書が気に食わなくて突っ込んでいたけれども、最近この手の装丁はめっぽう減っている気がする。さてはあんまり売れなかったのかな…(ニヤリ)

そして、数年前Twitterで見かけて「なるほどなぁ」と思ったのが、「筆者の顔写真がドーンと帯になってる新書は読みたくない」という意見。個人的には佐藤優の本をちょっと前までよく読んでいたし [1]最近はあまり読んでないですね。飽きたのと、ウクライナ戦争に絡んでちょっと気持ちが冷めたのと。、後はルトワックも帯にドドンと顔が出ていた気がするし、完全に避けてはいないのだけれども、ふーん、まぁ目安にしましょうか、くらいのノリで私の心に残っている。

そんな私が全力で許せないと思っているのが、今売っている横溝正史の「悪魔の手毬唄」の装丁。角川文庫の金田一シリーズは大学生の頃、つまり20年くらい前に、一通り集めてその後留学に伴い一度売って、また去年一気に集め直したのだが、なぜかこの「悪魔の手毬唄」だけが、その間に表紙が変わってしまってたんである。 [2]八つ墓村も変わって、金田一耕助の顔イラストになっているようだが、八つ墓村は数年前に買い直していたのでセーフだった。なんでか理由は知らないけれども、私は2019年のジャニーズ主演のテレビドラマを機に、若い層を取り込もうと可愛らしい感じにしたんでは?と勝手に疑っている。ただし、同じく最近ドラマ化している犬神家のデザインは変わってないので、違う理由かもしれない。とにかくこの一冊だけが、そこらへんで1200円くらいで売ってる手拭いみたいな柄になっちゃってて、私は悲しい…あの一文字だけどーんとデザインされた不吉な表紙が好きだったのに。確か、「悪魔の手毬唄」では「鞠」という字だったはず…見てくださいよ、このノホホンとした手拭い柄のデザインをっ!!!!横溝正史で並べたら、この本だけ仲間はずれで虐められますよ。それくらい場違いです。

ただ、最近横溝正史生誕120年記念復刊とのことで、一文字どーん表紙より更に横溝正史っぽい表紙で色々な話が続々と復刊しているので、私は嬉しい。横溝正史と江戸川乱歩にはポップとか手拭い柄は似合わないんですよ…昭和のお化け屋敷の看板みたいなテイストは失ってはいけないのです。大体、昭和が舞台なんだしさ。ドロドロしてなくっちゃ。エログロこそが真髄じゃないの、手拭い柄じゃ健康的すぎますって、ねぇ?

References

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1 最近はあまり読んでないですね。飽きたのと、ウクライナ戦争に絡んでちょっと気持ちが冷めたのと。
2 八つ墓村も変わって、金田一耕助の顔イラストになっているようだが、八つ墓村は数年前に買い直していたのでセーフだった。

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