活字中毒者と知りたがり

先日、新しく入社した人の自己紹介メールで「活字中毒者です。文庫本は30分で読みます。」といった趣旨が書いてあった。それを読んだ私の上司曰く「あなたと仲良くなれそうだね」

 

とんでもない!冗談はよしこさん、である。私は確かに本を良く読むし、それをいちいちメモって公開するという「本を読んでいる私を自慢する」面もある。ついでに言えば、「こんなに変な本読んでます」という変人自慢もしているかもしれない。というか、している。でもね、活字中毒者を自称したことはないの。私は私なりに目的があって本を読んでいる訳で、本を読むことが目的ではないの。

何より仲良くなれそうにないと思うのが「文庫本は30分で」のくだり。私は文庫本もそれなりに読むけれど、実はハードカバーを読む方が多いのであります。というか、読みたいと思う本が文庫になっていることが少ないと言った方が正解かも。まぁ、とは言え、ハードカバーの文庫化したものを買ったりしているし、小説は大抵文庫本でお世話になっているので、「文庫本は」の部分はおいておこう。 [1] … Continue reading問題は、そう、「30分で」の部分。本一冊30分で読んでどうなるというのか?1冊にかける時間が短い⇒沢山本を読んでいる⇒素晴らしい知性⇒素晴らしい仕事ぶり…というわけでもなさそうだ。少なくとも、仕事における実体験によれば。 [2]勿論、能ある鷹は爪を隠す如く、実はものすごく知性教養溢れているのかもしれない。しかしあの文章力では…怪しい…

ちょっと前にも書いたけれど、結局私は中身が見えない多読自慢が嫌いなんだと思う。「文庫本を30分で。ヘー、中身は?どんな本?」とかチャンスがあれば聞いてみたいと思っているほどだもの。もしこれで「岩波文庫から出ている波多野精一の『宗教哲学』 [3] … Continue reading」とかいわれると立ち直れないんだけど。スピードがなくても、多読しなくても、結局どれだけその本から何かを得たか?何だと思います。

という訳で、ここに書いたほどグダグダ説明はしなかったけれども、「うーん、多分そこまであわないと思いますよ。大体私は活字中毒じゃないし」と答え、では何なのか?と誰何されて答えて曰く「知りたがり」。まぁ、これが妥当でしょう。

References

References
1 一応誤解の無いように書いておくと、私は文庫本に敵意を持っている訳ではございません。軽いし、ハードカバーより安いし。あえて文句を言うならば、出版社によって微妙に高さが違うことか…特に平凡社ライブラリー!良い本沢山扱っているくせに、許さんっ…!
2 勿論、能ある鷹は爪を隠す如く、実はものすごく知性教養溢れているのかもしれない。しかしあの文章力では…怪しい…
3 どうしてこんなにピンポイントな書名なのか?それはね、私がこの本を随分前に買ったまま積ん読しているからなのだよ。難しそうなのはわかって買っているけど、まだ読み始める覚悟がない。

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