冬になると思い出す徒然草の話
冬は大根料理が美味しい。おでんにしても美味しいし、豚バラ肉と煮込んでも最高。ふろふき大根もなかなか良いものだし、細かく刻んでおかゆに入れてもよし。葉っぱも炒めりゃ立派なふりかけになる。やはり大根はハフハフ食べるのが一番。そして夏にハフハフはできない。ゆえに、大根は冬の食べ物である。
・・・と力説してみましたが、今回はそんな大根が「徒然草」で主役になってる話。個人的に大好きな話なんだけど、意外と知られていないので紹介します。
筑紫に、なにがしの押領使などいふやうなる者のありけるが、土大根を万にいみじき薬とて、朝ごとに二つづつ焼きて食ひける事、年久しくなりぬ。
ある時、館の内に人もなかりける隙をはかりて、敵襲ひ来りて、囲み攻めけるに、館の内に兵二人出で来て、命を惜しまず戦ひて、皆追い返してげり。いと不思議に覚えて、
「日比ここにものし給ふとも見ぬ人々の、かく戦ひし給ふは、いかなる人ぞ」
と問ひければ、
「年来頼みて、朝な朝な召しつる土大根らに候う」
と言ひて、失せにけり。 深く信を致しぬれば、かかる徳もありけるにこそ。
要は大根の恩返しってことですね。日本では鶴だけではなく、大根も恩返しするのだ!アミニズムの極致ここに見たり!ま、個人的になぜこの話が好きかといえば、小学校〜高校(大学受験)でお世話になった公文日本の古典の漫画シリーズの徒然草でこの話が取り上げられており、その絵のあまりのシュールさに心惹かれたってだけなんですが。大根が鎧を着ている絵はなんとも言い難い印象深さだったのである。
そんなわけで、大根の季節始まりました。まずは豚バラ肉のブロックと煮込むところから始めましょうか・・・