「犬の力を知っていますか?」えぇ、知っていますよ
ブログの記事については三日坊主どころか、半年近く更新なしも珍しいことではない状態なのに、律儀に読んだ本のページだけは更新していたりするのです。私の中の「読んだ本カウントルール」は「漫画は外す(入れていいならめっちゃ読んでる)」「つまみ食い読み本(完読してない本)はダメ」でそれ以外はOKとしてます。あ、あと完読していれば2度目、3度目の場合も1カウントしてるね!さて、5年近く記録を残しているうち、100冊読んだのは1年しかないですが、ボリューミーな本が多いので、まぁ、「1年で300冊読む」とかいう得体の知れない自己啓発本作製者 [1] … Continue readingに比べると、中身に大きく偏りはあるものの、なかなか誠意がある選書だと思うんだが、どうだろう?
んで、今回はちょうど昨日読み終わった池田晶子の本の話。恥ずかしながら今まで彼女のことを知らなかったし、本ももちろん読んだことがなかったけれど、最寄り駅ビルの本屋 [2]最近はレイアウトが変わって、ライトノベルに新書が押し出され、新書にハードカバーのノンフィクションが押し出されたのでつまらんの新刊棚に置いてあったので、コリーの絵と「犬」という単語に反応して買ってみたんです。これがなかなか面白い。犬に絡めた多少哲学的なエッセーと、もう少し真面目な哲学エッセーをまとめたものなんですが、共感できるというか、「そう、それ!それ、私もそう思う!」ってことが多い。
「自由と規律」というエッセーの中で、
しかし、規則で規制したところで、悪いことをする人間は、悪いことをする。逆に、善悪とは規則のことだと思うから、自分で善悪を判断しなくなる、できなくなる。状況に応じて自分で善悪の判断のできない人間たちの社会が、よい社会になるわけがない。(中略)しかしそういう態度は、人間を賢くすることがない。社会の成熟を促さないのだ。
と、池田晶子はいう訳ですが、それは常々会社の中で私も思っていたこと。どんな些細のことも規則やら運用ルールで縛ったチームよりも、自主的に考える余地が残っているチームの方が、最終的にパフォーマンスも良いし、各メンバーのスキルも高くなる。だいたいその方が、結局メンバー自身も自分の能力を信頼されている、自分の判断に責任があることを認識するので、チームに対する忠誠心が上がるのですよ。問題は、この点において、直接の上司と意見が合わないことだけさ・・・
そして、「自由と規律」に対する読者の反応を踏まえて続く「絶対安全人生」において、ちょっと長いけど引用すると
他人が何をするかわからなければ、自分だって何をするかわからない。人生の状況は、一瞬として同じではない。先のことはわからないのである。だからこそ我々は、状況に応じて善悪を、自由に判断するべきなのであって、規則に判断を委ねるべきではないのである。規則に判断を委ねてしまうと、人生は本来が危険なものだという常識を人は忘れる。いや忘れてしまいたいからこそ、人は規則を求めるのだが、それでは本来の人生を生きたことにならない。それでも絶対安全を求めるならば、家から一歩も出ないことだ。
繰り返し言う。この世に百パーセントは存在しない。絶対確実百パーセントは、我々の死亡率だけである。
と言い切る。「うーん、もしかすると近い将来、死亡率百パーセントも揺らぐんじゃ」と思わなくもないけれども、この自分の人生の不確実性を認める、ちょっと人生に対して(世間一般に比べると)投げやりな感じ、嫌いじゃない。ってかむしろ好き。残念ながらすでに亡くなった方なので、実現しようがないけれども、直接お話を聞く機会があれば、さぞかし感動して、本にサインをもらったことだろうと思う。ミーハーだから、私。ただし、この2つのエッセーは「犬を公園で放すことを自分の判断でやる」→「噛まれた経験のある読者からの反論に対する反論」という流れであり、個人的には「犬を公園で放すことを状況判断の上で行う」ことそのものに対して、理解はできるものの、それを人目につくかたちで文章にしたのは、ちとマズかったのでは?と思わなくもない。ま、そんなこと本人はリスク負った上だと思うので、今更私が言うことじゃないんですけど。
・・・と、哲学的な部分で共感した点を先に挙げたが、何よりも共感しているのは「犬が好き!」という点。私も猛烈な犬好きで、池田女史とは違い、本来シェパードを飼いたかったけど、コリーを飼っていた過去がある。ダンディーくんと同じく、うちのコリーも気立てが良く、ハンサムで賢かった。毛が長いので、家の中にはあげなかったけれども、一度小鳥が家の中に入ってきたときに家族全員で大騒ぎしてたら、「すわ何事か!」と絶対に上がってはいけないと躾けられていたのに、家の中、しかも階段を上がって2階まで駆けつけてくれたっけ。幸いうちは田舎で放す環境があったので、リードも握らず、山の中を三姉妹と練り歩いたり、駆け下りたり、雪の日は長い毛に雪が絡まって、クリスマスツリーの飾りみたいに、胸元やお尻に、雪玉をぶら下げていたものだ。また、いずれ、今度は念願の雄シェパードを飼いたいと思っているのだけど、その話をとある人にしたところ、なぜか飼って良い動物を熱帯魚まで格下げ(?)されてしまった。「いや、別に私、あなたと結婚するわけでもないんだし」と正面切って言っちゃえばよかったな。
犬は言葉を持たないからかわいい、犬が喋り始めたら憎たらしくなるだろう、と池田女史は何度も言う。きっとそうなんだろう。うちの犬も言葉をしゃべれたら「ドックフードだけじゃヤダ」「暑い!水まいて!」「眠いんだけど、何?」「散歩の時間、それで足りると思ってんの?」等々、きっと小憎たらしいことを言ったに違いない。何も言わず、自分だけを愛してくれるから犬を愛する、人間とはなんと身勝手な存在か!
とりあえず、軽快な語り口で哲学を語るその口調に惚れたので、今日今から図書館に行って、他の本も読んでみようと思います。
最後に犬絡みでちょっと笑った記事を紹介。
犬の必死な訴えに庭を覗いてみると…! 大きな兄弟を守った小さなチワワ BUZZmag
なんと、見知らぬ男がサイラスのリードを引っ張り、私道の向こうへ引きずっていっているではありませんか!
「すみませんが、何をしているんですか?」慌ててドゥーリングさんが聞くと…
「自分の犬を連れて行こうとしているんです」と答える男。
「そんなわけないでしょ」と、我が子を守る必死の思いで、その男の顔面にパンチを繰り出したドゥーリングさん。
「そんなわけないでしょ」とパンチを繰り出したのは、なんと女性でした。動画を見るまで男性だと思ってたわ。