哲学にハマったカエル、神を語る その2

ヨハン君がクラウス君の一言で、神と言葉について新たに考えを巡らせているのと同じ瞬間、クラウス君は自分が何気なしにつぶやいた一言の重大さに気にも留めず、更に考えを進めています。

「神は言葉でしか表せない・・・神は人の認識の限界を超えている・・・」「そういうものは他にあるんだろうか?認識の限界を超えている、言葉でしか表せないもの・・・」

「あぁ、そうだ!無限だとか無だっ!」いきなりクラウス君が叫んだので、ヨハン君は葉っぱから1センチちょっと飛び上がってしまいました。「何が無限や無なんだい?無限と無じゃ正反対じゃないか!」

「いや、神様のことだよ。言葉でしか表すことができない、僕らの認識を超えたもの。無限だとか無もそうじゃないかい?限りなく存在することも、限りなく存在しないことも、僕らは想像しようにも想像できない。言葉でしか言えないんだ。だから、無限も無も神と同じなんだよ、きっと。」

「なるほどねぇ・・・」ヨハン君はクラウス君の直観の良さに感心しながら、その考えを自分が言葉について考えていたことと、頭のなかで組み合わせようとしました。「となるとさ、クラウス君。死はどうなんだい?」「死を僕らは認識できない。僕の死は死んだ僕には認識できないはずだ。君の考えに従うと、死も神と同じなのかな?」

今度はクラウス君が深く考え込み始めました。「無限や無ならば、果てしない感じが神様と同じようだけど、死じゃあなぁ・・・大体、死は生と対になっているものだ。死も神と同じならば、生もそうなるのかな?つまり、僕の生が神だと?」

クラウス君もヨハン君も、思考の迷路にそれぞれ彷徨い込んでしまい、しばらくお互い口を聞くことなく、静かに考えていました。

 

 

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