大統領は見た目も大事!?

マケインのお膝元アリゾナで過ごした高校留学は2000年の大統領選とともに終わり、大学留学も2008年オバマ大統領が選ばれる直前に帰国と、私のアメリカ生活の思い出はジョージ・W・ブッシュ大統領とともにある。国際関係論やアメリカ外交について勉強していたし、その頃はアフガン戦争やイラク戦争など、従来と違う戦争のやり方についてが結構ホットなトピックだったので、勢い政策決定者の思想や来歴を調べる機会が多かった。というか、The Vulcans(ブッシュの外交アドバイザー集団)についての本が課題図書で、エキストラクレジットのために読まされた。まぁ、そんなこんなでいろいろ調べているうちに、気が付いたことがある。「アメリカの大統領ってそこそこハンサムじゃない?」

子ブッシュあたりは愛嬌のある顔をしているが、若い頃はそれなりにイケる顔である。大統領じゃないけれど、ラムちゃん(ラムズフェルト)なんて超イケメンだ。クリントンやトランプは正直よくわからないが、というか単に私のタイプではないだけだろうが、ちょっと時代を遡ると、レーガンもルーズベルトもウィルソンも、もれなくイケメンなのだ。さてはアメリカ人は顔で大統領を選んでいるのか・・・?と訝ったりもしたが、よく考えれば少しでも美しい顔の方が印象が良いのは当たり前。人間は美しいものが好きなのだ。30過ぎれば生き方も多少は顔に出てくる。顔は意外といろんなものを表しているのである。

というわけで、ちょっと前にあった民主党大統領選候補者のディベートについて。

民主党大統領候補のディベートに見るルックス、話し方、ボディ・ランゲージ、イメージの損得

外国語(スペイン語)が話せるかどうかというのが、かつてないほどに重要になってきているという点や、話し方、そしてもちろん政策など見かけ以外のポイントも指摘はされているが、やはり重要なのは見た目だというのがよくわかる。例えば、「女性は男性と違ってスーツの色で変化をつけれる=印象に残りやすい」、「顔の表情が地味(で声にパワーがない)=存在感がない」など。何より辛辣なのがベト・オルークに対してで、

日頃から身振り手振りが不必要に多く、メッセージ伝達の妨げになると指摘される彼は、カストロとのやり取りで答弁力の無さを露呈。 1回目のディベートのアンケート調査で最下位の評価となっており、現在はそのダメージ・コントロールに追われている状況。 彼の場合、政治家の割には目力が無く、顔の下半分の表情がいつも弛んでいるので、 特に報道写真で ロバのようなルーザー・フェイスに写ることもマイナス要因なのだった。

と、けっちょんけちょんに「顔がダメ」と言われいてる始末。確かに実際の写真をみても、しゃべっている動画を適当に止めても「た、確かに…」と認めざるをえない。

「目力・・・ない気がする。下半分・・・緩んでる気がする。」

結局、人は「人を見かけで判断してはいけない」などと一応タテマエを言うものの、見かけで判断している生き物なのだ。見かけを吹き飛ばせるほどの何か(性格の良さ、頭の良さなど)を持っていない限り、見かけでなんとなく仕分けされてしまう。逆に見た目が凡庸で印象に残らないと、多少いいことを言っても忘れられてしまう。エネルギッシュさというのも目力や姿勢、表情などに現れるわけだから、顔以外の見た目も重要になる。見た目美人とはなんとまぁ、ハードルの高いことよ。アメリカ大統領達は(特にテレビ時代の大統領達は)、かくも大変な戦いを勝ち抜いてきたわけで、そりゃイメージアドバイザーを雇って訓練するわけですね。2020年の選挙、非常に楽しみです。ちなみに「見た目がどんなに良くてもダメなもんはダメ」の良い例は前代のメキシコ大統領です。

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