歴史は縦横の視線で眺めないとね、と言う話+α(読書日記)

今回も簡潔に。

 

半藤一利の昭和史シリーズ完結篇!とのことで、読んでみた。実は「昭和史(戦前)」と「昭和史B面」は読んでいるのだが、「昭和史(戦後)」はまだ読んでいない。いつか読もう…というのは、さておき。当たり前といえば当たり前なのだが、意識しないと中々できないことに「歴史は横で眺めてみないとわからない」ということがある。日本国内に限っても、政治的な出来事と文化的な出来事、これは結構真面目に考えないと、頭の中で一つに融合しない。他国と自国の歴史も、出来事としてはそれぞれ把握できても、「どのようにそれがつながっているのか?」というのは、よっぽどメジャーなものでもない限り意識されないのではないか?(もしかして、ちゃんと意識できていないの私だけ?)そういう意味で、この本は「横の繋がり」を意識するにもってこい。ちょいちょい挟まれる現在(安倍政権)への言及も、縦の糸のなんというか、色合いのパターンを意識できる。

個人的にはドイツが対ソ戦略の一環で日本を取り込もうとする中で派遣されたヒトラー・ユーゲントが来日。元々年齢層も10代後半と高めでその分訓練も行き届いている彼らのおかげで、小国民は軍隊式で鍛えられることになり、散々迷惑した、という本音が面白かった。

 

母の本棚から拝借。より短く軽めである「江戸の備忘録」と続けて読んで面白かったのだが、「殿様の通信簿」のほうは読んでいて、違和感が残った。中身にではない。文体にである。どこかで読んだことのある、この癖のある文体。思いあたったのは

ー司馬遼太郎

であった。

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