「人種主義の歴史」ジョージ・M・フレドリクソン

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読了日:2022/08/16


「他者」(人種的であれ、宗教的であれ)に対して暴力をふるう者の多くが持つ特徴は、社会的に周縁化されていることである。直接的な暴力に及ぶ危険性がもっとも高いのは、近代世界の(あるいはポストモダン世界の)コミュニケーション・テクノロジー、グローバルな金融市場、官僚化された国民国家の蚊帳の外に置かれたと自らを見なす特権的な集団の末裔であったり、少なくとも社会的に安定した地位にいた集団の末裔であったりする。地域や世界の発展コースから疎外されることが、文化的状況や社会的状況に応じて、人種主義や宗教的狂信を引き起こす。エリートの一員に加われぬ、安価な大量生産の日用品の消費者でしかない人間であれば誰でも低賃金労働者になりかねない世界で、アイデンディティの獲得に躍起になるとき、人権意識や宗教意識に頼ればもっとも手軽に満足できるような意味の渇望やある種の自尊心が生み出されることになる。

P154

まるで某合衆国第45代大統領の支持者のような。

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