徒然日記

昨日の晩からTwitterの方で大騒ぎしていましたが、その件については大分落ち着きました。でも、やっぱり一言言いたいので言う。だってこれ、私のブログだもん。

ことの発端は1週間か2週間前、私の部署が所属している本部付けの新人(新卒君)がいきなりツツツ…と寄ってきて「話は全然変わるんですけど [1]それまでは母の日戦線の話をしていたのだ。、本読まれます?」と訊いてきたこと。その時点で「む、なんかやな予感」と不穏な空気を読んだ私は「結構読むよ。趣味の本で忙しいけどね。」と行間に「だから『この本みんなで読みましょう』とか余計なこと言うんじゃないわよ。冗談じゃないわよ。」という気持ちをたっぷり込めて返事をしたのです。でしばらく音沙汰なかったから諦めたのかと安心していたら、昨日これまたツツツ…と内線いれてきて、「ミーティングしたいことがあるので事前に資料を読んでおいてもらえますか?」 [2]この微妙に上からな言い方が、私のただでさえあまり高くない沸点をやすやすと超えてしまったことは、聡明な読者諸兄にとっては自明であろう…と、パワポ資料を送ってきました。一応表面上はそれなりに理解のあるふりをしておりますので、「了解」とのみこたえ、パワポを開いたんだけど、さっすがゆとり世代だね。人の心を込めた行間を全て無視して「週一回読書勉強会開催の提案」企画を作ってたよ。

私は読書会というのをやったことが無いので断言はできませんが、こういうのって同じレベルの人が同じ興味を持って行わないと絶対にうまくいかないと思うんですよね。例えば木田元が主催していたのとか、佐藤優が大学(院でも?)でやっていたのとか。ああいう風に同じバックグラウンドや教養があって初めて成り立つものだと思います。もちろん、ホントはそうじゃなくっても出来るのかもしれない…ただ、今の私の部署で読書会なるものが成功する見込みはかなり低いんじゃないかと思う訳ですよ。

そもそも、私が非協力的。「人生は仕事のためにある訳ではなく、全力で趣味と個人的な目標 [3] … Continue readingのために生きる」と決めているので、読書も出来る限り幅を持って無節操に読むと決めており、そこにビジネス書が入る隙間はあんまりないのです。いや、もちろん今までもビジネス書は読んできましたし、今も気が向いたときに読んでいたりしますが、後3ヶ月くらいは趣味の追求の計画済みでして結構忙しいのです。大体、今まで会社で薦められて読んだ本がことごとくハズレで面白くなかったというトラウマもあり、「読書会=会社のために」本を読みたくないんですよね。

また、他のメンバーにおいては「そもそも本読むんだろうか?」という人が多い。電車の中で本を読む人は、このご時世、ほぼ自動的に読書家認定しちゃってよいと思うのですが、私が知る限り、通勤中に本を読んでいる同僚はゼロ。 本を読む人とたまにあったりすると「今何読んでるの?」という会話があったりするものですが、そういうものもなし。そういう人たちに必要なのは週一回の読書会ではなく、まず読書習慣なのではないだろうか?私が部下に貸した本、200ページも無いのに、2ヶ月近くたってもまだ返却されてこない現実を新卒君は知っているのだろうか? [4]私も読み終わったかどうか怖くて訊けていないのですが、でも上司に押し付けられた本は最速で読んで、とっとと返さない?普通。

なんなんでしょうね?この絶望的にうまくいかない感。そもそも企画を読んでも、本の種類について書いていない。ただ「当番制で読んだ本についてサマリーや仕事へ活かせる点を発表、ディスカッションする」とのみ…Twitterでも書いたけど、そんな適当な範囲ならば、おねーさん、「周恩来のリーダーシップと毛沢東のリーダーシップを比べて〜職場における望ましいリーダーシップの実践とは〜」というタイトルで発表しちゃうよ。 [5]参考資料は「周恩来秘録」でどうだ。とりあえず、本部長にこの企画の本気度について探りを入れています。実際やるとなったら、どーすんだろうね?本の選定とか全部新卒君がやってくれるんだろうか?あぁ、やだなー!

以上、非常に長いぼやきでした。以下、簡単に本の感想。読んだ本は渡辺京二の「北一輝」!渡辺京二は「逝きし世の面影」という本を2年くらい前に読んで、それはそれでなかなか面白かったのですが、そっちの本のAmazonの感想に「渡辺京二といえば「北一輝」!」というコメントがあったので興味をもって今回図書館で借りてきました。いやぁ、北一輝といえば、ぶっちゃけマイナスイメージしかなかったのですが、考えていたことはなかなか面白い。私の理解では「2.26事件やその後の軍国化の思想を作った人」というものでしたが、23歳(明治のころ)に書いた「国体論及び純正社会主義」では、それこそマルクスが主張したようなヘーゲル的歴史観を持っていて [6]というかそれを最後まで持ち続けていたんですが、ま、人の思想は徐々に変わってくるものですから。、コミューン主義的だったことは新鮮でした。この辺、最終的にはカントの哲学につながる柄谷行人と、違うんだけど似ている。というか、「国体論及び〜」についての渡辺京二の説明を読んでて柄谷行人の主張を思い出したのです。西郷隆盛の思想について私にもう少し知識があれば、もっと深く理解できたかもしれません。天皇論についても、「国体論〜」においては、ほぼ天皇機関説に近く、我々のイメージする北一輝の思想とは大分離れています。

で、最後のページを閉じて思ったことは「北一輝を日本近代のなかで最も重要な思想家と言い切った(アメリカ留学先の)大学の先生スゲー」でした。とはいえ、多分軍国主義化への影響という意味で北一輝を上げていて、上に書いたコミューン主義とか、ヘーゲル的歴史観とかその辺を取り上げてのことではないと思いますが…もしそうだったらホントにすごいと思います。今更ながらちょっと尊敬。授業受けた当時は「なぜ北一輝?明治以降なら福沢諭吉じゃない? [7]私は福沢諭吉好きなので。「福翁自伝」とか。勿論お札的な意味でも好きです…」と思ったもんですが。

次は再び死の舞踏の世界に戻ります。リストとサン=サーンスの音楽をBGMに。

 

  

References

References
1 それまでは母の日戦線の話をしていたのだ。
2 この微妙に上からな言い方が、私のただでさえあまり高くない沸点をやすやすと超えてしまったことは、聡明な読者諸兄にとっては自明であろう…
3 別にこれは資格を狙ってるとか転職とかではなく、単に人生生きる意味として設定した目標。最近のブログの内容を読んでくださっている方はうっすらお気づきだとは思いますが、多分私が生きている限り目標達成できることは無いです。もちろん死んでもだめ。
4 私も読み終わったかどうか怖くて訊けていないのですが、でも上司に押し付けられた本は最速で読んで、とっとと返さない?普通。
5 参考資料は「周恩来秘録」でどうだ。
6 というかそれを最後まで持ち続けていたんですが、ま、人の思想は徐々に変わってくるものですから。
7 私は福沢諭吉好きなので。「福翁自伝」とか。勿論お札的な意味でも好きです…

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