これぞ書痴の夢!松岡正剛&松原隆一郎の本棚(写真あり)

縁あって、松岡正剛と松原隆一郎の本棚を立て続けに見学することができたのでそのご報告。ブログを10年以上やっていて何気に初めてなのですが、写真満載です。

まずは松岡正剛の本棚。編集工学研究所、ISIS編集学校が入っているビルの中に本棚がある。文学系はそこそこの量が自宅にあるということだし、2階〜3階は見ていないので1階のみ。トイレに行くふりして2階にも行けばよかった。個人的に興味のある思想や国際関係は2〜3階だったんだよね。気後れしてはならぬ、という痛い教訓です。因みに、編集研究所の入ってるビルは元々酒屋の倉庫だったか事務所だったか、そんな感じ。(聞いたけど、忘れちゃった。)

まず、入ってドーン!
ドドーン!

ビルに入ると、すぐに本棚が始まっている。こちらは木の本棚で古めの全集が天井まで格納されていて、少し高級感のある空間。さりげなくというよりは、がっつり松岡正剛の著作も並べてある。この絶妙な1段の高さと幅の違い、めっちゃこだわってますね・・・階段にまで本棚が並んでるなんて、素敵。

どやっ!2万冊の大書庫じゃ!
でりゃっ!

小学校の教室2つ分くらいの大きさの部屋、四方&柱の周りが全て本棚である。行灯だったり、明かり取りの窓細工だったり、主に日本についての本棚ということもあり、やっぱり芸が細かい。4辺のうち、舞台になっている一辺(下の写真だと右側)と、その反対側は2階部分というか空中廊下というか通路があるのだが、その通路に上がるハシゴを登るのに一苦労した。これ、本を持って上り下りできるのか・・・?

昭和史コーナー。二・二六の図説が目立つ。

本棚の分類は日本史の時代別、その他メディア、文学、日本画、詩歌、日本論などに加え、テーマとして311のコーナーもある。本棚は横に広く、立てて並べた本の手前に横置きしたりと、わりかし自由。「本の並びが重要」と松岡正剛は常々書いているが、正直「なんと!意外!」という並びを見つけることはできなかった。日本論の一部に佐藤優の書籍がひたすら並んでたし・・・(てか、「神学の技法」は日本論じゃないだろう。)後は、バーカウンターぽいコーナーがあったり、その上には段ボール製のバイクが吊るしてあったり、ほんと自由奔放な感じでした。なお、こちらには書棚見学ではなく、建前上は編集工学の体験ツアーでお邪魔してるので、時間の大半はそっちの話の講義・実践で、その話は気が向けばまた書きます。

では、次に松原隆一郎の書棚。「本で床は抜けるのか」という本と、確かその前にもう一冊読んだ本で、存在を知っていた阿佐ヶ谷にある円形の書庫。書庫としてのサイズも形も松岡正剛のものとは正反対だった。まぁ、これは当たり前といえば当たり前で、松岡正剛の方は、研究所・学校の一部であり、ある意味あの書棚自体が松岡正剛をプレゼンしている、つまり商品みたいなものである。対して、松原隆一郎の書庫は「お爺様の仏壇を収める」目的も兼ねた完全に個人使用のもの。キッチンやシャワーもついた立派な住宅である。

玄関を開けるとこの風景
下から上をみて「ほぇ〜」
本が渦巻いてる。これで1万冊。

「真四角でない四角い土地に、円をくり抜いたようなコンクリの建物を作る」というのが、とても大工泣かせだったらしい。それでも完全な円にはならなかったため、本棚をもって真円にするべく微調整したのだとか。本棚の横板も本来は直線の予定だったが、円になるように削ったらしい。松岡正剛の本棚に比べると、本棚の縦横は均一であり、本棚の中で奥・手前という置き方も死蔵になるからとしない主義。ハシゴなして届くというのも大事なこだわりポイント。もちろん、本の並びも完全にランダムというわけではなく、ブロックごとにテーマがあり、執筆が終わるタイミングなどで、場所を入れ替えているとのこと。容量が1万冊なので、それを超える場合は、売ったり潔く処分するルールもあるらしい。

コンクリなので外の音は全く聞こえず、まさに本とともに過ごす場所とも言えるが、コンクリだからこそ、夏暑く冬寒い。書庫と生活空間部分を合わせて1階分で7帖くらいだからと、7帖向けガスヒーターをつけたら、竜巻が発生したという話が面白かった。ほんとは地下1階、地上2階の吹き抜けだから7×3の21帖用が必要だよね、と強力なのに交換したら竜巻もおさまったらしいが、その光景、是非みてみたかった。

正直どちらの書棚もよだれが垂れそうなほど羨ましいのだが、だからと言って自分の本棚の参考にはならない。根本的に所有数も違うし、私が作れる「本専用」の空間は、頑張ってマンションの1室である。それでもやっぱり人の書棚のこだわりは見ていて面白いものだし、そもそも本棚自体眺めていて飽きない。個人的には窓辺に造作のソファが置いてあって、その両脇に背の高めの本棚があるというのが夢ですね。できれば寝落ちしても苦しくないくらいの空間があると嬉しい。こだわり抜いた本棚、作ってみたいものです。

松岡正剛の本棚の作り方
こちらは建設記

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