セドリック・ヴィラーニ「定理が生まれる」…なるほど、分からん!

とある数学者が非線形ランダウ減衰とボルツマン方程式の平衡状態への収束に関する証明により数学界のノーベル賞と呼ばれるフィールズ賞を受賞するまでの2年近くについての本なわけだが…

意外とさくさく読めるよ。なぜならば、数式の部分がチンプンカンプンすぎて、「読む」というより「眺める」ことによってページが進むから。恐らく中途半端?に数学の知識があると、数式部分をまじめに考えて詰まってしまうに違いない。

そのまま勢いに乗った私は、準統御性の理論を発展させた。これは、縮退した散逸型偏微分方程式における正則化の問題と平衡状態へ向かう収束性に関する問題との間に見つけた類似性に基づいている。

とか言われても、「…左様か」としか感想が出てこないんだよね。何となく、研究している内容が整数の研究みたいに数学数学している数学ではなく、気体とかプラズマとか、ちょっと物理系なんだな…と分かるレベルです。それが分かっただけでも褒めてくれい。

実は、私は大学受験時は理系だったのです。「文系科目の得意な理系」だと信じて理学部(物理学科)に進学したのですが、結局「理系の得意な文系」だったことが大学3年になってやっと判明したという過去があったこともあり、数学と物理へのコンプレックスは人一倍。 [1]だからこんな本買ったんだと思う。因みに気体やらプラズマは物理の中でもさらに苦手でした。一番苦手なのは電磁気だったなぁ…とりあえず、おとなしく数ⅠAあたりから数学の復習をしようかと心に誓った次第です。

以上、感想らしい感想も持てずに1日ちょっとで読み切ってしまったこの本。数学者でもない一般読者が一番共感するのは、筆者がロックコンサート後にヒッチハイクして載せてもらった車のドライバーでしょうね。

「私は、完備で局所コンパクトな測度距離空間において下界をもつリッチ曲率の構成的概念を作りました」

「はあ!?」

「冗談ですか?」

…その気持ち、よくわかるぞ。

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1 だからこんな本買ったんだと思う。因みに気体やらプラズマは物理の中でもさらに苦手でした。一番苦手なのは電磁気だったなぁ…

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