ルトワック「日本4.0」
って、素直に喜べた?私は喜べなかった。だってルトワックに「今後の日本の取るべき方針のひとつが脱少子化」って言われたら、30半ば独身で、もちろん子供もいない身としては、肩身が狭いどころではない。いやぁ、わかってるんですよ、それは。産めよ増やせよ、国のためを考えるならば大事です。でも、子供に先立つステップに手間取ってまして・・・ははは・・・ハハハ・・・
さて、真面目に話をすると、本書はエドワード・ルトワック&奥山真司ペアによる文春新書シリーズの最新刊で、主に日本の取るべき戦略を話題にしている。9章あるうちの第5章までは直接日本に関わる事で、第6章、第7章がルトワックの言う「ポスト・ヒロイック・ウォー」の話、残りの2章が「地経学」の話になっている。後半4章については、昔の論文を核に、1章解説章を付け足した体裁になっており、ぶっちゃけ論文の章は読みにくい。 [1]単に私の脳みそが追いついていないだけ、とも言える。
日本についての章では、北朝鮮の非核化についても触れられているのだが、一番感じたのが「ルトワック、あなた、本当に韓国のことが嫌いなのね・・・」ということ。前にも講演で「自分が提案した案を韓国は無視して、未だ北朝鮮に対して脆弱性を晒している」と言っていたが、今回は「韓国は無視しろ」ときた。自分の意見を無視された恨みだけで、ここまでけちょんけちょんに言うはずもないだろうから、世界的な戦略家に韓国の動きはよっぽど眼に余るのだろう。いや、まぁ、ずっと根に持ってそうな気もするが・・・朝鮮半島問題に関して言えば、北朝鮮が中国のコントロール下になれば、それはすなわち、韓国も同様になるだろうということで、ルトワック的には、北朝鮮の方が半島の独立を担保していることになる。同じ文脈で米軍は北朝鮮の非核化を達成しても半島から在韓米軍を撤退させることはないと言う。それは、対中国へのアメリカのポジションだ、とのことだが、本当に中国だけだろうか?日本はかつて朝鮮半島を足がかりに、大陸の方へ足を伸ばしたが、そもそもあの半島は中国やロシアが海の方へ広がるためにも重要である。アメリカはあの地を楔としてみているのではないか?あそこにアメリカの楔がある限り、日本も中国もロシアも動けない。
さて、とりあえずそんな半島情勢に対して日本のあるべき姿として、日本は「作戦実行」のメンタリティを持つべきだというのがルトワックの意見。それはつまり「先制攻撃」であるが、「脅してくる国に対して、脅しの道具(ミサイルとか)を先に潰すのはむしろ防御だろう」とのこと。この辺は、ルトワックは日本人の内在的論理を掴みきれていないのかもしれない。原理はそうであっても感情が許さないことが多いのだ・・・とは言え、国土防衛のやる気とその能力を保持することには異存はない。演習論についても全面同意。人間、超えてきた修羅場の数でだいぶ違う。本当に違う。ビジネスの世界でも全然違う!!最近身をもってそのことを知った。修羅場をくぐり抜けてきた人の方が確実に次の修羅場をくぐり抜ける知恵がある。と言うわけで、なんかめっちゃ偉い人たちは嫌がりそうだけど、一回自衛隊はルトワックの提言通り、しっちゃかめっちゃかな演習をやってみればいいと思う。もし、最初から人員と装備を使うのにためらいがあるのであれば、シミュレーションでもいいからさ。そんな自衛隊にお手本としてオススメなのがイスラエルらしい。アメリカとは違って、特殊部隊がちゃんと特殊部隊をしているとのこと。イスラエル、前にもどこかでオススメされてたな・・・大々的には難しいだろうが、こっそり勉強しに行くにはいいかもね。
前半についてはだいたいこんな感じです。後半については、もうちょっと頭の整理が必要なのでまた次の機会に。
References
| ↑1 | 単に私の脳みそが追いついていないだけ、とも言える。 |
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