就活中の妹に捧げたメール

歳の離れた妹が就活に突入だそうで、質問メールが送られてきたのでその返信です。貧乏性だから使い回し(ほぼ原文ママ)。メール送信後「ギョーカイブンセキ」について改めて調べてみたんですが、なにあれ、超面倒じゃん!私は就職する時に「賞与」だとか「福利厚生」だとか全く調べなかったよ・・・そんなもんより、懐に飛び込んだもん勝ちだと思っていたのです。そして、自己分析とか自己発見とか、正直気持ち悪い。凄いな、今の学生は。適性検査をしないと自分の事さえ判らんのか。客観的に分析とかいうけど、仕事は対人なわけで、相手による自分の印象をどう持たせるか、望むように行動すれば他人による「客観」なんていくらでも変わるのにね。とまぁ、就活をディスってもしょうがないので、やめときます。以下、送ったメールです。

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さて、返信が遅くなってしまい申し訳ないです。社会の歯車と言うのは、良く周りの歯車に影響されて、予期せぬ方向にコロコロまわることがあるのですよ。

では本題。
まず、私が就職する時に業界分析をしたか?という事ですが、ズバリしていません。「家族の中では一番真っ当に社会人生活をしている」と評価してくれましたが、始まりは家族の他のメンバーと同じく「今の日本の常識パターン」からは大きくズレています。なんせ、新聞で会社の特集ページを読んで、中途採用しかしていないのを把握した上で、新卒で乗り込んだんですから。それで、「ウチ、中途しか取らんのよ。まずはパートでどう?」と言われて、「ふーん、ま、やってみるか」と単身上京して働き始めて、正社員登用されたんだから、マグロの一本釣りもビックリの鯨の一本釣りをした訳です。ので、正直「ギョーカイブンセキ」について、私は何も教えてあげることが出来ません。というか、昨日の晩、人と話していて初めて「業界分析とは、今後(知名度や重要度が)上がる業界を分析して狙うことではなく、就活において自分の進みたい業界を考える」ことだと、知ったくらいです。

これじゃ悩んでいるのにたまったもんじゃなかろう、と優しい姉は仕事場で聞き込みしてきました。まず、私の持論。「自分のやりたいことが判らん」という気持ちは良くわかります。私の場合、やりたいことはうっすらありますが、その場合食べていけないので、「やりたいこと=金になることをするためにはどうしたらいいんだろうか」と現在進行形で悩み中です。大体世界には、営業、教師、コンサル、自営業、大企業からベンチャー、NGOなどなどとんでもない数の仕事の種類と働く環境があるのだから、全体から一つの「やりたいこと」を選ぶのは無理だと思います。もしくは、今の世の中にほんとうにやりたい仕事はないのかも知れない。となると、作る必要がある・・・でも22歳のペーペーに一から仕事を創造する事は基本無理です。やりたいことは追々見つけりゃいいんですよ。一旦「そこまでやりたい訳じゃないけど、そこそこ楽しい仕事」で力をつけるべ、というくらいのノリで良いと思います。そうすると、社内で段々と「こういう仕事内容は好きかも」と思える事が出てきます。私の場合は、業務改善(ルールの見直しと新ルール作成、情報フローについて考える事など)が好きで、書類整理は大嫌いです。自分の趣味が判るとそれを人事異動の際に売り込めるし、目指す道も見えてきます。

と言う訳で、やりたいことを見つけようとするのではなく、「絶対にやりたくないこと」をリストアップしてみれば良いと思います。私の場合は「外資・証券会社・コンサル」でした。勝間和代が大嫌いだからね。その上で(これは昨日聴き込みした人が言ってたんですが)、OB訪問をたくさんしてみて、ちょっとでも興味のある仕事をターゲットにすれば良いともいます。そのときに異動経験について聞くといいらしい・・・つまり、一人の人間から2〜3部署の話を引き出すようにすると、更に幅広くいろんな仕事について知ることが出来るから、目指す方向性も決まり易いとのことでした。

後、社風や会社が目指す方向性と言うのはきちんと把握した方が良いと思いますが、あまりガチガチに考える必要はないかな。私の場合は、「業績(売上げとかだけではなく、改善した事なども含めて)があれば、どんなに若くても、パートでも認める」という社風が自分にあっていたと思います。ので、「頑張れば頑張ったほど認められる(ただし、頑張らないと超悲惨)」社風がよいのか、「そこそこやればそこそこ安定している」社風がいいのか、そういった重要な事だけを押さえれば良くって、そのなかで営業をしようが、業務統括をしようが、あんまり関係ないかと。まぁ、後もし政治的趣向(保守派だとか、親中派とか)あれば、その辺も加味して考えて下さい。

まとめると、まず絶対にやりたくない事を考えて、それ以外の分野について色々実際に訪問してみる、その中で「ま、嫌いじゃない」という会社を受けてみるという風に範囲を小さくしてみれば良いと思います。後は、新聞やニュースで「目に付いた企業」をリサーチしてみて「悪くない」と思えたら、突撃してみる!私はこのパターンですが、駄目だと思わず、兎に角まず動いてみる事です。

そして、悩みの内容からは少し外れるかもしれませんが、企業が評価するのは「やる気」ではなく「能力」です。やる気なんて面接のとき演技すればそこそこ見せる事が出来ます。つまり、「その仕事じゃないと死んじゃう!」という人でない限り、やる気はみんな似たようなものです。それよりは自分の能力が企業にとってプラスである事をしっかりアピールして下さい。そんなに嫌いな仕事でなければ、仕事をしているうちにそれなりに楽しくなってきます。そうすれば自然とやる気は出ますので、心配要りません。寧ろ、能力です。能力がないと結局仕事についていけず、周りもその人に任せる事が出来ず、認められず、最終的にはやる気がなくなります。そういう人をすでに数人見ています。能力があることは、私が今保証しますので、後は自分には能力があると信じていればよいのです(我が家に馬鹿はいません。慢心せず、きちんと磨けば能力はかなりあると思います)。

で、「仕事の能力ってなにさ?」と思うと思いますが、一言でいえば問題解決能力です。目の前の問題(課題)をどのように論理的に無駄なく漏れなく解決するか、が仕事では非常に重要です。だからといってロジカルシンキングとか問題解決講座を勉強する必要はないのですが、まぁ、自分の学生生活中での出来事&それに対してどのように対処したか準備するのは無駄じゃないと思います。幸い部長なんだし、部活動とかで色々あるんじゃないでしょうか。

今日読み終わった本で面白かったのがティナ・シーリグの「20歳の時に知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義」です。この本を私流にまとめると、「兎に角自分から動いてみよう。(それで失敗してナンボのもんじゃい)」ということに尽きるのですが、これは特に就活では正しいと思います。リクナビに登録して、OB訪問してという正攻法で数を攻めるのは勿論ですが、もし本当に「ここで働きたい」という会社を見つけたならば、新卒採用していなくても突っ込んでいくくらいの勢いでぶつかってみて下さい。(会社としては迷惑かもしれませんが、満更でもないと思います。ただし、そういうブチ当たりをしたときこそ、能力が問われる事をお忘れなく。)そして、会社との出会いは色んなところに落ちています。リクナビだけではなく、新聞や本屋やインターネットでも目に付いた会社を片っ端から調べてみて下さい。そうすれば「しっくりくる会社」が見つかります。就活はある意味期間限定なので焦っていると思いますが、名前で決めず、しっかり色々な企業を調べてみましょう。(企業だけじゃなくってNGOなんかも最近は面白いのが多いです。でもNGOはあんまり新卒取ってないね・・・)

万が一、入社して「ありゃー」と思ったら、技術や仕事の仕方を盗むだけ盗んで、また仕事を探せばよいと思うのです。永久就職先と考えると「ちょっとでもいい会社を。将来まで安定した会社を。」と考えがちですが、そうなると心理的負担が凄い事になるので、気楽に考えましょう。能力はあるのだから、新卒だろうが転職だろうが、すぐ仕事は見つかりますよ。私も特に憧れる仕事像を持たず(私の憧れはいまも昔も、本を読んで暮らす事)、新聞でみかけて入社して、嫌いでもないが特段好きというわけでもないことがメインの部署に配属されて、そのなかで「これは好きかも」と思える仕事を見つけて、それが評価されて、社内で昇進して、課長レベルまでパートから登ってきた訳です。多分同じ学年の殆どが就活パニックになっていると思いますが、その中で「自分は大丈夫。自分には能力がある。だからきっといい仕事を手に入れる事が出来る」と信じていれば、本当になんとかなるもんです。自分を信じて頑張って下さい。

と言う訳で、長くなりましたが、元々の質問への答えも書いておきます。

業界分析どうやってした?? ⇒してません。
そして、志望企業どうやって決めた? ⇒新聞を読んできめました。

因みに就活したのも一社だけです。

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