突発性難聴入院記まとめ

主に仕事がらみで考えたことです。noteからの転載。入院記へのリンクをひとまとめにしたのはこちらからどうぞ。

今回、耳がおかしいと思って速攻耳鼻科に行ったわけだが、実は私はそう診断されるまで「突発性難聴」という病気を知らなかった。有名人でも発症した人が多いので、多分単語として見かけたことはあったんだろうが、自分の頭の辞書には載せていなかった。それくらい自分には関係ないと思っていたのだろう。が、なってしまった。それ故、診断直後はかなり慌てたんだが、それでも考えていたのは「仕事は休めない・・・」である。今思えば極めておかしい思考回路だ。そんなこと考えているから、難聴になるんだよ!と過去の自分に言ってやりたい。とはいえ無駄に思い切りもいい方なので、母の勧めと「後悔がないように」という先生の言い方(入院も選択肢としてあり、という言い方)で吹っ切れて、8日間の入院を決めた。

結果としては、それが正解だったと思う。先生は内服薬よりは点滴の方が効くと言われていると言っていたし、実際入院後半で初めて知ったが、自分の聴力は90Dbレベル近くまで落ちていた重症で、しかも(治りにくいだか珍しだかちゃんと覚えていないが)高音域が聞こえないタイプ。挙句、毎朝点滴をしてから出社しても、点滴時間やら待ち時間やら考えると、結局会社で働けるのは15時以降で点滴治療中というのに残業しまくることになっただろう。出社しないにしても、一人暮らしなので家にいる買い物や調理など細々したことをしなくてはならないし、何より家にはPCがあって、それはつまり会社のPCにリモートで繋がってしまう。全てを振り切って安静にするには入院しかなかったのだ。

ただ、入院前日にそのことを報告した時は「入院するの!?」という反応が多かった。「突発性難聴になっちゃって〜」っていうと「自分も過去になった!」という人が結構多く、そんな人ばっかりいる会社もどうかと思うんだが、とにかく入院までする人はいなかったので、「大げさな・・・」という空気はあったように感じた。もちろん、それは突然入院する負い目からの被害意識かもしれないけれど。

繰り返しになるが、仕事をぶん投げて入院したのは正解だったと思う。先生に「入院するほどではない」と言われたわけでもなし、発病の原因とも言われる「ストレス・過労・睡眠不足」は全て仕事から来ていたのだし、何より普通に考えて、我が人生においての重要度は「耳が片方聞こえない数十年>仕事」なのだ。ストレスと過労と睡眠不足でヘロヘロの脳みそだとそれでも仕事が・・・とか思っちゃうんだけど、でもどう考えても「耳=自分の体>仕事」なのだ。実は、人の声は支障なく聞こえていたので、特段不便を感じたわけではないのだが、それでも体温計の音が聞こえないのは恐怖に感じた。電子音が聞こえにくいというのは、今後地震とか緊急時に問題があるのではないか?一人暮らしなのに!?と考えてしまったのだ。突発性難聴は入院すれば治るというものではないが、最善を尽くさず、後で後悔するのは嫌だし、絶対後悔するのが目に見えたので入院した。

結局仕事も(チームメンバーは大変だったろうが)つつがなく回っていたし、体調管理のやり方を大きく見直す良い機会になった。睡眠不足を防ぐには残業をしないのが重要だし、そんな風に働き方を変えなければならない。まだそれは改善中だが、とにかく自分の中で「あ、自分の人生において、仕事はそんなに大事じゃないな」って気付けたのが良かった。もちろん、食べていくには仕事をしなくてはならないが、片耳の聴力失うほど、しかもそれちゃんと治さないほど仕事するのもバカだな、と。

右耳の調子は未だ完璧に治ったとはいえない。もしかしたら、これくらいで満足しないといけないのかもしれない。でも入院して、毎日点滴して、安静にして、その結果なのだからこれ以上はどうしようもない。人生の優先度もわかったし、私は満足している。


noteに書かなかった入院がらみの小話を追記。

1)入院中、看護師さんと雑談してた時に「働き始めてから初めて、自分のために健康保険料払っててよかった!って思ってます。病院あんまり行かないので・・・いままでは祖母の薬代だと思って払ってました。」といったら爆笑された。入院預かり金として10万払ったが結局返金があったし、まさかの保険カバーで5千円/日支払われたので、実質5万くらいで済んだ。

2)病院は元号を使ってる。会社では西暦メインなので新鮮だった。令和になったので、大したことない資料は手書きで修正されてた。

3)会社に前年以前に使い切れなかった有給を「いざって時」に使える仕組みがあるのだが、そして入院は「いざって時」って聞いていたのだが、利用できなかった。その理由は「私の今年度の有給が20日以上残っているから」!もうバカかと・・・そういうとこだぞ、私が突発性難聴になったのは・・・と思う。ほんとバカか。

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