中途半端な読書感想

今読んでいる本が色んな意味で刺激的です。ちょっと前にでた深田匠・著の『日本人が知らない「二つのアメリカ」のという本です。どのように刺激的かと言いますと、まず内容。

第一に、保守的というかなんというか私は多分初めてここまで自分の思想を(言葉尻からも)出している本をみましたよ。ブログとかでは結構はっきりとその人の思想が判りますけれども、出版物では初めて。まぁ、いままであまりそういった本を読んでこなかったのも真実だし、その人の思想まで読み取れていなかったのも真実なのですが・・・そして第二に、今まで知らずにいた事も結構載っていて、そういった面でも刺激的。「なるほど、こんな裏があるのね」とちょっとニュースの見方が変わりました。

ついでに本の形態?としても刺激的です。なんせ全く段落というものがない。いや、段落はあり、一字分空いてはいますが、ただそれだけで一行分空いていたりとかなくって、どこをめくっても文字が上から下までぎっしりです。読み応えがあるというか・・・こんな本、初めてみたよ。せめて上下二段にしてくれれば、本の中心に隙間が出来てまだ目に優しいのに・・・

まだ途中までしか読んでいないのですが、あまりにも考えるところが多かったので一旦ここで記事にしようと思ったんです。まず、[『日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略』] 教育の原点を考えるで書かれているように

ただ、国際政治に関するユニークな視点を提供してくれる意味で同書は読む価値があると思いますが、何分にも著者の深田氏が極端な保守主義の思想の持ち主なので、それを念頭に読み進めていかないとミイラ取りがミイラになりかねませんので注意が必要です。

という点には本当に要注意だと思います。どれくらい保守的かはリンク先を読んでいただけると良くわかると思いますけれども、(少なくとも私にとっては)発想の転換並みに新しくて急進的な意見であるがために、逆に「そっか、いままでの私の歴史観は間違っていたのね!」とコロッと信じそうになります。同じ意見の本をこの本以外に読んでいないので(あえてあげるならば小林よしのりの「戦争論」でしょうか?「戦争論」はちらりとしか読んでいないので具体的なところまで内容を覚えていません。)、クリティカル・シンキングの心掛けで読むようにはしています。因みに、私はビックバンやインフレーション理論を正しいものと信じています。インフレーション理論なんてあの想像を絶する感じがなんとも面白いと思いませんか?それになんせ、佐藤勝彦の大ファンだったんですよ、私。

参考リンク
宇宙のインフレーション理論 Wikipedia
宇宙創生を解明する「インフレーション理論」 アットホーム株式会社(佐藤勝彦の写真やインフレーション理論の画像付き)

で、以上に書いたように「本当に深田さんの書いている事は正しいのかな?」と調べずとも一応、疑いながら読んでもこれはと思う部分があったので紹介していきたいと思います。ただ、前提として「私は知らなかった」から特に強く反応したものもあるので、その辺については「こんな事も知らなかったのね、ふふん」と心の中だけで思っていてくださいね。今まで読んだ中で「むむ」と思った部分は4点です。

まず、序章「マスコミが報じないイラク人質事件の真相」から。深田氏の意見を大雑把にまとめると、人質事件が発覚した際の家族の言い分はエゴイズム丸出して、「自衛隊は撤退せよ!」などの言い分は、国の威信や同盟国との信義も捨てよと言っているようなもので、ともかくエゴイズムむき出しである!ついでに、そういったいい分の家族へ抗議や批判する国民に対して「これ以上家族を苦しめるな」という左派マスコミもいるが、結局、アンケート調査によると大半の国民は自衛隊撤退に反対していたのだ!国民は正しい!更に3人のうち、高遠菜穂子は日本赤軍系や毛沢東原理主義系の左翼との関わりが過去にあったし、今井紀明の家は家族ぐるみで左翼だし、家族を支えたのも共産党や革マル派やそういった団体で、署名の15万人も共産党支持者によるものだし、今井紀明の助かった後の言動って全く政府に感謝していないし、未だに自衛隊の駐留がそもそもの問題だって思っているのもあほらしいし、何より自作自演の可能性がかなりの確率で考えられるじゃないか!・・・というもの。

で、私は事件の事は勿論知っていたけれども、家族や本人の思想までは知らなかったし(全く興味がなかった。でも、「確かに退避勧告が出ている、しかもテレビを見ているだけでもあからさまに危険だと判る国に勝手に行って、政府の責任はないだろう。」とは思っていました。)、その後のインタビューなんて全くみていなかったので、今回この本を読んで「そんな事を言っていたのか!」とか「自作自演説なんてあったんだ!」とかそういったレベルでびっくりしました。

で、深田氏の意見で

ところが今井紀明は記者会見で政府への感謝もなく自己責任を否定し、「帰国の旅費が税金から出ているから返せみたいな言われ方をされるんだったら、航空券を持っていて自分たちはその方法で帰ろうとした」と言い放っている。それならば政府はこの二十数億円全額請求すべきだ。・・・(中略)・・・それこそが自己責任というものだ。

という部分にはかなり賛同できます。まぁ、いまさら政府もそんな事は出来ないだろうけれども。これは極端な意見だとは思うのですけれども、それでも政府はかなり苦労したと思うのです。自衛隊は確かにイラクにおけるテロの一つの原因になっているかもしれない、自衛隊がイラクから去れば、ちょっとはイラクが平和になるかもしれない。でも、ヨーロッパの国々の足並みが悪い中自衛隊を派遣した日本としてはこの時点で引いては恐らく、多かれ少なかれ日米同盟の問題になってしまうと思うのですよ。いまの日本では日米同盟なしでは(自衛隊だけでは)、まず軍事的な安全保障がやっていけません。日本に向いたミサイルの数とその近さを想像すればすぐに実感できる事だと思います。イラクがちょっと平和になっても(だって、自衛隊がいなくなったってそこまでいきなり平和になるとは、正直考えにくい。)、日本の安全が保証されないのであれば、自衛隊はあの時点では撤退すべきではなかったと思います。因みに、今のイラクはもう何がなんだか状態で自衛隊がいようといまいと関係なくなってきた治安状況だし、アメリカももうお手上げで日本はまぁ、良くやったよ・・・という状態だと思われるのでこれ以上危険な場所にいる必要はないかと。多分、国際関係ってそんなもんだと思います。

話がそれましたが、自己責任論。私は最初に書いた通り、「退避勧告がでているのになんでいくのさ?」という考えなのですけれども、拘束によるストレスは仮病だとか自作自演に違いないとまで決めつけるつもりはありません。ただし、「僕らの責任でなく、政府の責任なのだ」と責任を押し付けることにはかなりの違和感があります。政府に責任が全くなかったとは思えないけれどもね。事件が起こった事に対する政府の責任は自衛隊を派遣した事ではなく、イラクに入る日本人をゼロに出来なかったところにあると思います。

参考リンク
週刊現代でのインタビュー creative space・・・母親の台詞に呆れてしまったのは私だけでしょうか。結婚とかさ出産とかと違ってさ、早めに経験しておくと楽になるもんじゃないよ。「危険」っていうのは近づけば近づくだけヤバいものだよ。

と、最初の一つの引用だけでかなり長くなってしまいましたから後は簡略に。まず外務省について。

なお北京の日本大使館専門調査員を務めた鐸木昌之氏は、同大使館には会話や電話の盗聴を防止する部屋やシステムが一切なく、しかも掃除には中国人の清掃人を雇っており、重要書類を机上に放置したまま掃除をまかせて平気で外出しているという実状を述べておられる。つまり北京の日本大使館は、日本の重要情報を中共スパイ機関に「提供」するために存在しているようなものだ。

ものすごく強気です、外務省。まぁ、外務省の問題って例えば駐在自衛官が直接防衛庁へ公電を打つのを禁じて、必ず一度外務省を経由しなければならないようになっていて、それ故に外務省に秘密の情報(外務省に不利になるような情報)は盗聴可能な普通電話で防衛庁に伝えるしかなく、その情報を外務省に集める理由が「戦前は一つの機関(つまり軍)が全ての情報を握っていたのが間違いだったのだ。」という、思わず「胸に手をおいて考えてみたら?」と突っ込みたくなるようなものばかりなのでいまさら感はありますけれども。

次も中国関係。

無人衛星の打ち上げでさえ度々失敗している日本が、宇宙兵器開発ができる国に援助する必要がどこにあるというのか。

これはODAについてですね。確かに、北朝鮮といい、中国といい、支援してもしても深田氏の言う通り、兵器にしかなっていない気がするのです。勿論、空港整備とかそういったものもあるんでしょうけれども。深田氏の説明によると外務省は本当に中国に弱いらしく、台湾に対する対応など逆にケチョンケチョンらしいです。ODAは政治的利権も絡みますから、一度にスッキリとはならないと思いますけれども、もうちょっとなんとかしてよ、外務省さんよ・・・

最後も中国関係。

こうして中共は日本の自虐史観を増幅させ防衛力を弱体化させるために「日本に軍国主義が復活している」と声高に避難し、それに日本の左翼人はアタフタとして「日本の右傾化を阻止しよう」と叫んで走り回る。しかし、中共こそが軍に支配されている軍国主義(ミリタリズム)の国なのだ。前述のように中共は「軍民一体」を国策に掲げており、そもそも毛沢東が「政権は銃口から生まれる」と言って建国した国である。

そこまで軍民一体かなぁと思いますが、中国こそ軍国主義国というのは理解できます。それは軍備にかかる予算の増加からもわかります。もともと中華思想の国ですし、深田氏によると台湾を飲み込み、日本も飲み込み、最終的にはアジアも世界も支配下に収めたいというのが中国の本心で、まず日本がその目標を邪魔するだけの国力があるから、自虐史観を日本国内で徹底させて軍備を小さく、国力も小さくさせていく・・・という戦略だとか。私は深田氏の指摘する「自虐史観」の全てをねつ造だとは今現在は考えていませんが、日本の左翼を利用してそういった考えを浸透させようとしたという部分にはちょっと納得できます。

佐々淳行が書いた「あさま山荘事件」についての本を読むとその頃の、赤軍派がいかに活発か良くわかり、事件そのものについても良くわかるのですが、その中で「小学校などで、父親が警察官や自衛官の子供は教師から冷遇されていた」といった内容の記述があったように記憶しています。そして、「そのころは国全体として左翼に好意的だった。あさま山荘を含む赤軍派の一連の事件によって、国民の左翼離れが進んだ」といった記述も。こういった記述を思い返せば、深田氏の指摘もあながち間違ってはいないのではないか?と思う訳ですよ。教育って結局、その人の思想の根本になりますからねぇ。戦前の軍国主義も、アメリカの妙な自信も、中国や韓国における反日も、どれも教育によるものだろうし、そうだとすると深田氏のいう「自虐史観」は暫くこのまま教育界に残るのではないでしょうか?

・・・と、一応今まで読んだ範囲に対する感想でした。だからまだ、アメリカのアの字もでてきていません。これだけでも、ものすごく長くなっちゃった。このエントリーこそが目に悪いですね。

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