BOOKS ルーエの話

学生の頃から立派なジョージっ子 [1]吉祥寺な私だが、そのころから好きな本屋があるのだ。今回はその本屋の話。

さて、吉祥寺にはそこそこ大きな本屋も多く、アトレやキラリナの中にもあるし、ちょっと駅から歩けば2フロアのジュンク堂もどどーんとある。そんな中でもBOOKS ルーエが好きな理由を私なりに考えてみたのだが、やはり「チェーンストアじゃないからこその品揃え」と「フロアが広くないからこその品揃え」だろうか。

まず、「チェーンストアじゃないから」という点なのだけど、ベストセラーがベストセラーとして認識しにくいというのが個人的に気に入っている。もちろん置いていないわけではないんだけど、それがものすごーくさりげないというか、それよりも定員さんの押し(?)本が目立っていたりするのだ。チェーンストアはどこでも同じような配架で、あんまり面白みがないし、並んでいる本もベストセラーを中心に似たようなものなのだが、そうじゃないというのは「本屋で新しい本との出会いを探している」場合にとても有効なのだ。本棚の端の方で密かに「SF特集」をやってたり、オススメ本セクションを定期的に変えていたり、「特集コーナー」を眺めるのもなかなか面白い。異様に老年期の生き方についての本が多い新刊本コーナー [2] … Continue readingの向かいが女性ファッションもの、隣がミリタリー [3]フロアサイズの割りに結構充実しているなんて本屋、他にあります?

そして、ルーエのフロアはそんなに広くない。かつては地下もあったが、今は1〜3階のみで、その中に結構なジャンルを詰め込んでいる状態。だからこそ、なのだろうがひとつのジャンルにおいて、本が厳選されている気がする。もちろん文庫本なんかはバーっと並んでいたりもするんだけど、哲学とか歴史、科学の分野になってくると1列 [4]1列4段くらい?それでも30〜50冊くらいはおいてあるのかな?あればいい方で、でも、よくよく眺めると「純粋理性批判 [5]カントじゃなくって、ヘーゲルの「精神現象学」だったかも」だとか、「一体誰がわざわざ街の本屋で買うのだ?」としか思えないようなものもあれば、新聞かなんかの書評に載っていたカタコンベの写真集(↓)をババンッとおいていたりする。一体誰がどうやって選んでいるのかわからないんだけど、その嫌いじゃない意外性がやっぱり面白いのだ。

こうやって考えてみると、単に本が並んでいるのではなく、キューレーションされて並んでいることこそが、私がこの本屋を気に入っているポイントなのだろう。ポップもないし、本当に本がただ並んでいるだけなのだが、その並びが他にないユニークなものだから、眺めていて飽きないのだ。チェーンストアではたまにある「本はたくさんあるが、買いたい本が見つからない」ということは、この本屋に限っては絶対ない。むしろ、1冊の予定が3〜5冊になっちゃうことがほとんどである。 [6] … Continue reading最近はこういった街の本屋さんもあまりないと思う。これからもずっと頑張って欲しい。

 

 

References

References
1 吉祥寺
2 本当に「終活」とか「老年の哲学」とか「吉祥寺戦後写真集」とかそんな本が並んでいるので、本当は新刊本コーナーじゃないんでは?と密かに疑っている。
3 フロアサイズの割りに結構充実している
4 1列4段くらい?それでも30〜50冊くらいはおいてあるのかな?
5 カントじゃなくって、ヘーゲルの「精神現象学」だったかも
6 選択の科学ってあるもんですね。やはりある程度選択肢が少なく、かつ、もし、そこに人のオススメを感じると、人は選んでしまうものなのかもしれない。

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