年寄りホイホイ

昨日の午後は、教授に推薦されたプロジェクト(卒論とか)を発表する大学のイベントがありまして(誰でも見学出来る)、先日の記事でも書いた通り、プリンターがぶっ壊れたため前日の晩に黙々と手作りした代打ver.ポスターを私は展示しておりました。(因みに、ポスター以外にも、口頭での発表やパフォーマンスなんかもある。)生徒は自分のポスターの前に立って、質問に答えたり、説明をしたりしなきゃいけないんですが、私のポスターはなんと言うか「年寄りホイホイ」状態でしたね。元々「中国海軍」という政治と世界に興味の無い人はまず近寄らない内容な上に無駄に詰め込んでいるので、「もの凄く好きで、感動する人」と「もの凄く嫌いな人」に大抵の人が別れるのですが、昨日はお年寄り(最低60歳以上)に大人気でした。

私の卒論の結論は「中国海軍の拡大は、共産主義そのものではなく、経済&(純粋に中国人としての)愛国心を共産党政府が自らの存続のために必要としているからである。つまり、たとえ中国が民主主義国家になったとしても、政府としてこの二つは存続していくために必要なので(日本でもアメリカでも国民の支持は大事。特に中国の場合、中華思想も考慮に入れると愛国心ってのも結構大事。)、多くの国が軍事的に強く、また海底資源やシーレーンを共有している東アジアでは、現実主義者(国際関係論でいうリアリスト)の視点からすると、海軍の拡大は止まらないだろうと思われる。」「そして、中国海軍の太平洋へのアクセス=アメリカ本土の安全保障に関わる問題である。日本本土〜沖縄〜台湾のラインで中国海軍を封じ込め(containment)できなければ、太平洋に防衛ラインを敷くのは地理上不可能。アメリカ的にも東アジアの国と同じく、中国海軍の拡大は国の利益のために望ましくない。」というもの。結構過激です。でもお年寄りには大人気!!凄い!!不思議!!!以下、言われた事など。

  • 全く、あなたの意見に賛成だわ!アメリカ政府は経済関係だけで、状況改善出来ると思っているらしいけど、あなたの意見を聞いて、やっぱり私は正しかったと思ったわ。
  • 私の友達の中国人(アメリカ在住)は、反共産党政府っぽいんだけど、全く同じ事を言っていた。
  • (将来、大学院に行ったら何をするかと聞かれ、「海軍だけでなく、核戦力や空軍(ICBM)も考慮にいれて研究を続けたい」と答えたら)本を書きなさい。

こんな感じ。核兵器の存在は今回敢えて無視したので、是非ともいれたいところ(知ってた?公式に核を持っている8国のうち、6国もアジアにいるんだよ。アメリカ、ロシアも入れますけどね。アジアにいないのはフランス、イギリスのみ。イスラエルは公然の秘密で持っているようだけど、今回はカウント外。どちらしろ、アジアは核密集地帯。日本や台湾もその気になれば直ぐに作れると言われていますしね。)。こういった話が好きな人には堪らない内容だったようです。まぁ、大学のある土地柄、保守系が多い上に(元)政府関係者も多いので、そう考えるとそこまで驚く事でもないのかもしれませんが。因みに、約半分の人には徹底的に嫌われて、何もコメントを貰えなかったですよ。実際、興味の無い人は華麗にスルーしてコメントも質問も残さないからねぇ・・・お陰で、卒論の評価も担当の教授以外(フランス語科やスペイン語科の先生)には、恐ろしいほど下の方の評価を頂きましたし。いくら成績には関係ないと言えど、あれは凹んだね。ま、いいや。

で、今回私の発表にホイホイされたお年寄りの中での一等賞は、次の人。お爺さん、かなりのお年です(推定85歳)。
爺「キミは、中国が問題だと考えるんだねぇ〜」
爺「僕もそう思うなぁ〜ところで、日本とアメリカはやっぱり違うと思うかい〜?」
私「あまりそうは感じません。最も日本人がアメリカに来るのと、アメリカ人が日本に来るのでは状況が違いますけど。やっぱり、アメリカ文化は世界的に広まっていますから。」
爺「僕は全然違うと思うよ〜」
私「(↑かなり「全然」を強調していたので)?」
爺「僕はね〜日本に行った事があるんだよ〜全然違うと思ったなぁ〜」
私「そうなんですか?いつ頃でしょうか?」
爺「1953年。朝鮮戦争の最中だよ〜」
私「!!!!!!朝鮮戦争っ!」
爺「全然違うと思ったんだけどなぁ〜」
私「えーっと、サー?朝鮮戦争の頃は、まだ戦後間もないですし、アレから50年。日本も随分復興して経済発展を遂げました。今ではかなりアメリカナイズされていますよ。」
爺「そっか〜」
朝鮮戦争を戦ったんなら、そりゃ中国に対してあんま良い思い出も無いのかもしれませんね。因みに53年の段階で朝鮮戦争は終わってるんですが、そう言ってたのでそう言う事にしておきましょう。

昨日は本当に老人と戯れてた記憶しかありません。疲れたよ。

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